2020年9月6日(日)開催の舞洲クリテリウムのレポートをお送りいたます。
参加メンバー
E1 : 1組目 … 塩澤 魁 選手 E1 : 2組目 … 森崎 英登 選手 E3 : 3組目 … 前田 凌輔 選手
リザルト
E1 : 塩澤 魁 選手 … 4位 E1 : 森崎 英登 選手 … 3位 E3 : 前田 凌輔 選手 … 天候の悪化により中止
レポート
昨日の舞洲タイムトライアルから挑むクリテリウム。少人数での組み分けがされた今大会のスケジュールだが、E1の塩澤選手、森崎選手が別の組みで出走。また、E3の前田選手はJBCFクリテリウム初参戦ということで、どのような結果になるのか楽しみなレースであった。 選手に伝える部分は伝えたが、スタートリストを見た際に各選手が各組みで勝つ確率が高い方法を考察すると、以下の通り。 E1 : 1組目 → 少人数のパックで逃げて、スプリント E2 : 2組目 → スプリント勝負は全てパスしてスプリント E3 : 3組目 → 逃げる どうなったかは、各組みごとにレポートを書き記します。
E1 1組目
事前に優勝に絡むであろう有力選手をチェックしつつ、レーススタート。 ネクストイエロージャージの東選手など、有力選手が積極的に集団の前方で集団を活性化させるような動きが目立つ。 なかなか集団が落ち着かないなぁと見ていた5週目あたりで5-6名程度の逃げに繋がりそうな動きが発生。それを見て”それは勝ち逃げになるぞ”と伝えるが、結果これが優勝を決める決定打となり、数名いたその逃げは本多選手(ALL OUT Reric)、塩澤選手、そして中野選手(イナーメ信濃山形)となった。 塩澤選手の能力はもちろん、過去に群馬・宇都宮と当チームと一緒に遠征したことがある中野選手の能力もある程度は把握済みなので、うまくローテーションすれば問題ないと思っていたが、事前に本多選手が強いと聞いていたので、彼らがレース中どうするのかを端から見ていた。 すると1回目のスプリント賞で中野選手がスプリント。それに釣られて塩澤選手もスプリントをしていたところをみた瞬間”これはちょっとやばいかも”と思ったので外から少し声かけをする。 しかし、逃げ集団を見ていると、本多選手が頭一つどころか二つ抜き出ていることがわかる。それを見て塩澤選手は中野選手とうまく立ち回れたら…と思っていたのも束の間、2回目のスプリント賞でも少々中野選手と塩澤選手が動き、共に疲れたのか徐々にローテーションが回らなくなり、本多選手が単独で逃げを打つ。その逃げは、後ほど最大40秒ほどの差を広げて優勝するものだった。 さて、今回のハイライトはここからである。 その後、メイン集団から数名が前に出てくる動きをみる。ここで後ろとジョイントした方がいいと伝える。逃げから落ちた2名の選手たちも冷静に対処し、後ろの追走選手たちを拾って8名ほどのパックになる。 バックストレートの追い風区間で一気に加速して、ホームストレートの向かい風のペースが下がったところに合わせてジョイントする選手たちを見て、このままだと後ろの集団と繋がってしまうと思ったので、苦しいなかでもローテーションを作るように伝える。 結果、塩澤選手のいる集団は捕まることなく、2位争いのスプリントへ。しかし逃げの疲労もあるなかでスピードはあまり乗らず、4位で終了となる。
伊藤のコメント
塩澤選手はとてもいいチャレンジをしたと思います。 2位争いするにしても、まずは”優勝争いにチャレンジした”ことがとても大切で、結果力量の差はあったものの、ちゃんと優勝に手が伸びる位置にいた状況でどうしたらいいかを考えながらレースを走れたことから得られる経験値は非常に大きいと考えられます。今回優勝された本多選手のフィットネスは塩澤選手より高いと感じられる動き・走りをしていたので、本当に強かったと思います。そんな選手と一緒に走れたこと自体もいい経験だったのではと思います。 また、それだけでなく、その後追走してきた選手たちとジョイントして最善の結果を残すためにチャレンジした結果、表彰台には手が届かなかったもののゴールスプリントに加わることができたことは、次につながられるものを多く得たのではない考えられます。 お疲れ様でした。
E1 : 2組目
2組目は森崎選手が参戦するが、こちらの組みは先ほど組みの影響もあり、おそらく大体の選手に”逃げが発生したらまずい”と刷り込まれている可能性があると考えられたため、先ほどのような大逃げはないだろうと考えられた。 しかし、毎週回スプリント賞を狙っていきつつ完全優勝するためのような動きをする小橋選手(YURIFIT cycling TEAM)が繰り出すレースの動きを、2組目を出走した多くの選手が経験したことがないと考察、森崎選手自体もそれに当てはまると考えられる。 また、指示を出す私も小橋選手自体の情報があまりないため、先ほどのレース展開から”先頭から常に8秒前後の差に抑えられるよう”と伝え得る。強い選手を疲労させつつ、森崎選手のような選手が自身が勝ちを狙うにはそれしかないだろうという感じ。 が、小橋選手が集団に戻る動きもあってか、その辺りのコントロールはあまりない。合わせて、集団に戻る小橋選手の動きに合わせてカウンターアタックがかからないところをみると、小橋選手以外は”集団スプリント狙いだ”とほぼ確信する。 最終周回にて、第2コーナーあたりから小橋選手がかけるロングスプリントに集団が反応する。第3コーナーあたりに入る小橋選手と森崎選手の差を見ると”これはいけるのでは?”と思ったが、少々ホームストレートのスプリントの進路が塞がれた形になってしまったように見えた。 これは森崎選手の得意なスプリントも届かないかもしれないと思ったが、案の定届かず3位で終わってしまった。 伊藤のコメント 自分の勝つ可能性を高めるスプリントに持ち込みたいという思いと、その周りの思考を読み取ったのか”集団に声かけて射程距離内に抑えよう”と集団を動かそうと声かけをしていたのはいいではないかなと思いました。 課題として言えば、大逃げを打つタイプではない森崎選手は、小橋選手のような走りができるようになるのが課題ではないかと考えられます。フィットネスもありますが、それよりも技術・経験で1つ2つ以上も頭が抜き出ていた走りでレースメイクしていた技術は素晴らしいと思いましたし、見ていて面白いと思いました。 そんな森崎選手には、スプリント以外に自分の武器があるのかどうかを考え、それに対してどういうレースにどうハマるのか等を考えながら、また次のレースに備えてほしいと思います。 お疲れ様でした。
E3 : 3組目
E3は前田選手が参加予定でしたが、1組目を走行している最中にまさかの大雨。JBCF側が危険と判断し、大会事態が中止となり、E3は全員完走ポイントのみとなりました。 個人的に、単独で逃げ切るだけの力だあると思っていただけに、非常に残念でしが、また次にいたして欲しいと思います。
全体を通して
目指していた優勝ができずに残念だったと思いますが、残念で終わらせることなく常に上を目指して挑んでいく中で、今回も得られるものが多かったレースだったのではないかなと考えられます。また、前田選手は残念でしたが、勝てる力のある選手だと思いますので、また次の来るべき時のために練習を続けて欲しいと思います。 今大会、新型コロナウイルス感染症だけでなく、台風などの影響もあると考えられる中、冷静に判断していただき、可能な限り最善の選択をしていただいたJBCFを始め大会関係者の皆様、本当にありがとうございました。 また、休日にもかかわらず、当チームのために2日間とも写真撮影を手伝っていただきましたS様、本当にありがとうございました。 そして、こうしたご時世にも当チームを支えていただいておりますスポンサー様・サプライヤー様、本当にありがとうございました。 引き続き、レースへのチャレンジを通して学んだもの、得たものを地域社会に還元できるように努めてまいりますので、当チームの応援をよろしくお願いいたします。
選手の声
塩澤選手
森崎選手